GTPで作るあなただけのMyAIとは?八王子の行政書士がやさしく解説
はじめに
こんにちは。八王子を拠点に活動している「生成AIアドバイザー」伊橋行政書士です。本日は、「自分自身の情報をGTP(あるいはChatGPT型の大規模言語モデル)に組み込んで、自分専用のMyAIをつくる」というアイデアについて、なるべくわかりやすく丁寧に解説したいと思います。
「細かいプロンプトをいちいち入力するのは面倒…」「自分のことを覚えていて相談しやすいAIがあればいいな…」というニーズは、多くの方が感じていることだと思います。AI技術が進歩してきた今、そんな“自分用AI”を持つことは、決して夢物語ではありません。
しかし、実現するには注意すべき点も多くあります。特に、プライバシー・セキュリティ、運用コスト、AIの精度など。この記事では、それらを含めながら、あなた専用のMyAIをGTP技術で作る方法と注意点を、行政書士の立場からやさしく解説します。
◆ MyAIとは何か? なぜ“自分の情報を入れる”のか
MyAIとは:あなた専用のアシスタントAI
“ChatGPT”などのAIと違い、MyAIは「あなたの個人的な情報・志向・過去履歴」などを学習・記憶させておくことで、あなたに即した応答ができるAIです。毎回「私は◯◯が好きで…」と説明する必要がなく、AIがあなたを知っている前提で会話できます。
なぜ“自分の情報を入れる”ことが価値を持つのか
- 応答の精度向上:好み・背景・目的を知っていれば、AIはより適切なアドバイスを返せます。
- 使い勝手の簡易化:毎回細かく状況を説明しなくてもすむため、利用ストレスが下がります。
- 継続利用での深化:使用履歴を蓄積していけば、あなたの傾向・課題・改善点をAIが把握でき、長期的なサポートが可能になります。
◆ “GTP(GPT)でMyAIを作る”— その仕組みと方法
(※以後“GPT”と書きますが、これは汎用的な大規模言語モデルの総称として使っています)
1. 基本構成の要素
自分専用AIを作るには、大きく次の要素が必要です。
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| 基盤となるモデル(GPT系) | 言語生成の“頭脳”部分 |
| パーソナル知識ベース | あなたの情報・履歴・好みなどを格納するデータベース |
| プロンプト設計 / プロンプトテンプレート | 質問をどうAIに投げるかを設計するルール |
| インターフェース | AIとあなたが対話する仕組み(アプリ、チャット画面など) |
| セキュリティ・認証機構 | データを安全に扱うためのアクセス制御・暗号化など |
2. パーソナル知識ベースを構築する方法
あなたの情報を入れるには、次のようなカテゴリーが考えられます。
- 自己紹介(名前・職業・居住地など)
- 趣味・嗜好・好きな本・好きなテーマ
- 過去の相談履歴・解決策
- 現在の目的・目標(例:副業、旅行、健康、学習など)
- 制約条件(予算・時間・方針など)
これらをテキストファイル・JSON形式・データベースなどで整理しておき、必要に応じてGPTに参照させます。
3. プロンプト設計とテンプレート
MyAIを動かすには、毎回「プロンプト(命令文)」をGPTに渡します。ただし、あなた専用AIでは、プロンプトテンプレートをあらかじめ作っておき、ユーザー入力を穴埋めする形で効率化できます。例:
「あなたは、私(利用者)について以下の情報を知っています:〈パーソナル知識〉。この前提で、次の質問に答えてください:〈利用者の質問〉」
こうすることで、毎回情報を再提示しなくても済みます。
4. 学習・微調整(ファインチューニングまたはRAG)
- ファインチューニング:あなたの文書・回答データを使って、GPTを追加学習させる方法
- RAG(Retrieval-Augmented Generation):知識ベースから関連情報を検索し、それに基づいてAIが応答を生成する方法
ファインチューニングは高性能ですがコストや技術的ハードルが高く、RAG方式の方が比較的導入しやすい選択肢です。
◆ 実際のステップ(八王子市のあなた向け)
ステップ1:目的と範囲を決める
まず、あなたがMyAIに何を期待するかを明確にしましょう。例えば:
- 日々の相談(例:スケジュール管理、ちょっとした悩み相談)
- 専門性を活かした用途(例:行政手続きの相談、契約書の簡易チェックサポート)
- 趣味・学習サポート(例:本のおすすめ、英語学習アドバイス)
範囲を絞ることで、設計を単純にできます。
ステップ2:パーソナル知識ベースを準備する
- 文書・メモ・日記・メール履歴などを整理
- JSONやスプレッドシート形式で整理
- 利用可能なAPIやクラウドストレージに格納
ステップ3:プロンプトテンプレートを設計する
複数パターンを作り、テストを重ねて使いやすい型を作ります。
ステップ4:RAG方式での実装
- 資料を保存しておき、利用者の質問に応じてその資料を検索
- 検索結果をもとに、GPTに応答させる方式
この方法なら、毎回GPTにすべてのデータを食わせる必要がなくなり、コスト抑制が可能です。
ステップ5:インターフェースと運用設計
- チャットアプリ(LINE、Slack、Webチャット)等を使ってUIを作る
- 認証・アクセス制御を設計
- 定期的なバックアップ・ログ管理
◆ 注意すべき法律・プライバシー・セキュリティのポイント(行政書士としての視点)
個人情報保護法・プライバシー対策
- 個人情報(氏名、住所、連絡先など)は扱いに慎重に
- 暗号化保存・アクセス制限を必ず実装
- 第三者への漏洩リスクに対する対策(ログ監視、管理責任者設置など)
- 利用者本人の同意取得(第三者が使う場合など)
著作権・利用規約の遵守
- 自作の文章・契約文書等をAIに学習させる際、著作権上問題ないか確認
- 使用するGPTサービスのAPI利用規約を遵守
誤情報・責任所在
AIは誤答をする可能性があるため、最終判断は人が行う運用ルールを設けるべきです。
また、“このAIの答えが原因で生じた損害”の責任をどう扱うかを規定しておく必要があります。
◆ メリットとデメリットを整理
| 項目 | メリット | デメリット・リスク |
|---|---|---|
| 利便性 | 細かい説明が不要、自然な会話が可能 | 初期構築コストがかかる |
| 精度 | あなたに即した応答が得られる | 情報が誤って学習される可能性 |
| 継続性 | 長期間使えば深い理解が得られる | 記憶・履歴の肥大化や管理コスト |
| 安全性 | 運用設計次第で安全に運用可能 | 個人情報漏洩や不正アクセスリスク |
◆ 実例シナリオ:八王子市でMyAIを使う場面
例1:行政手続きの相談
あなたが「市役所での許認可申請をどう進めるか?」と相談すると、MyAIはあなたの業種・過去の申請履歴・所在地情報をもとに、八王子市役所の具体的な窓口や書類まで助言できます。
例2:日常の質問・悩み
「来月のスケジュールが詰まりそうなんだけど、どう調整すればいい?」と聞けば、あなたの予定・優先度・制約から最適な提案を返せます。
例3:学習サポート・趣味応援
「今読んでる本のテーマを深掘りしたいんだが、関連論文を教えて」など、あなたの興味に沿った文献や視点を提案できます。
◆ まとめ:あなた専用MyAIを始めるために
- 目的と範囲をまず決める
- パーソナル知識ベースを整理・構築する
- プロンプトテンプレートを設計する
- RAG方式でAI応答を実装する
- インターフェース設計、運用ルール・セキュリティ設計を固める
そして、運用を始めた後も、定期的に回答の精度チェック・不要データの削除・バックアップ体制の見直しなどを行うことが大切です。
AIは万能ではありません。しかし、あなた自身の情報を味方につけたMyAIなら、日々の相談をもっとスムーズに、もっとあなたらしく進められるようになります。生成AIアドバイザー・伊橋行政書士として、知識・法務リスクの面でもアドバイスできますので、ご希望があればいつでもお手伝いします。
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